営業職の人は数字で評価されるので、成功体験を聞かれても答えやすいですが、総務、人事、経理などのバックオフィス系職種の人は数字では評価しにくいので、答えにくいです。ではどうすれば良いのでしょうか?今回、30代のバックオフィス系の人に対して仕事上の成功体験を聞く意図と回答のポイントについてまとめました。
目次
どんな意図があるのか?
仕事上の成功体験を話してくれと言われたら、多くの人は大成功した話をしないと不味いかなと思ってしまいますよね。ところが、採用担当者は成功の大小は気にしていません。なぜでしょうか?次の3つの意図があるからです。
- 成功の大小ではなく過程を知りたい
- 主体性があるのかを知りたい
- 問題解決能力があるのかを知りたい
成功の大小ではなく過程を知りたい
あなたが数値で評価しにくいバックオフィス系職種であることを知った上でこの質問をしているのは、過程を知りたいからです。成功に至るまでの過程は人それぞれ違います。順風満帆に行った人もいれば、失敗から学んで成功にたどり着いた人もいます。何れの場合でも何らかの努力はしているはずです。それを採用担当者は知りたいのです。
主体性があるのかを知りたい
成功体験といっても、誰かから言われて行動に移したり、他人の成果にただ乗りしたのと、自ら行動に移したのかでは評価は全く異なります。誰かから指示を受けて行動するのは新卒の社員でもできることです。ところがあなたは新卒者ではなく30代の即戦力経験者です。会社を引っ張っていってほしい存在です。だから、会社はあなたに主体性があるのかを知りたいのです。
問題解決能力があるのかを知りたい
仕事ではトラブルがあったり、そうでなくても小さな問題や困難がたくさんあります。そういったことを1つ1つ解決して乗り越えることが成功につながります。だから、あなたが失敗をどうやって乗り越えたのか、問題にどう立ち向かっていったのか、どんな工夫をしたのかなどを採用担当者は知りたいのです。
つまり自社で活躍できるのかをイメージしたい
過程、主体性、問題解決能力、この3点を知りたいのは、あなたが自社で活躍できるかどうかイメージをするために聞いているのです。だから、自慢に終始していたり、他人のふんどしで相撲を取っているようなことを話していたのでは面接に落とされてしまいます。
回答のポイント
面接で成功体験を聞く意図について理解できたと思います。ここからはどのようにして回答をすればよいのか、ポイントを踏まえて解説します。
- 成功体験に具体性を持たせる
- 応募するポジションを意識する
- 回答の構成を意識する
成功体験に具体性を持たせる
あなたは具体的な文章と聞いてどんな文章を思い浮かべますか?そこで次の文章を比較してみて下さい。
- 「コストを20%削減できた」
- 「グループ6社全体でコストを対前年比20%削減できた」
どうでしょうか?どちらの文章が具体的だと思いますか?おそらくすべての人が後者の文章を具体的だと答えるはずです。前者は数値のみですが、後者は、人数(規模)、期間、数値が入っているので、より具体的に見えるのです。ここでのポイントは5W1Hです。よく聞いたことのあるフレーズですが、誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのようにを意識して成功体験を書けば、具体的になります。
応募するポジションを意識する
30代前半であればまだプレイヤーとして見られる年齢ですが、30代後半になってくると管理職として見られる年齢です。そのため、成功体験の内容は応募するポジションによってプレイヤー要素を強くするのか、マネジメント要素を強くするのかを決める必要があります。だから、30代後半だからといって必ずしもマネジメント要素が求められるのではなく、プレイヤーとしての要素を求められる場合もあります。
回答の構成を意識する
「仕事上の成功体験はありますか?」と聞かれたら、結論をまず言いましょう。間違っても、「昨年の7月に赤字が発覚して、コスト削減をする必要が生じました…」のように長々と話をしてはいけません。だから、「はい。グループ6社全体でコストを対前年比20%削減できた成功体験があります」と言いましょう。その後にどんな背景があったのか、苦労したことや改善したことなど1つ目の回答のポイントを意識してエピソードをまとめます。そして再び結論を言って締めるのが論理的で分かりやすいです。
成功体験が無い時の対処法
ここまでは成功体験があるという前提で書きましたが、自分に思い当たるような成功体験が無いという人もいると思います。そんな人のための対処法を以下にまとめました。
- 変化に注目する
- 学んだこと、気づきを得たことを話す
- 失敗に注目する
変化に注目する
自分が気づいていないだけで、何らかの成功体験をしている可能性は十分にあります。そのポイントとなるのが変化です。自分が仕事に取り組んだ前後で少しでも良くなったことがないか思い出してみて下さい。例えば、「今まで1時間かかっていた仕事を30分で終えることができた」というのも業務改善の成功体験になります。
学んだこと、気づきを得たことを話す
仕事に取り組む中で、自分が学んだこと、気づきを得たことを話すのも一つの方法です。仕事上の見える成果を探すことに執着すると、学んだこと、気づきを得たことのような自分の中での変化は埋もれてしまいがちなので注意しましょう。
失敗に注目する
成功体験は無いけど、失敗体験ならあるという人もいます。失敗したことを反省して、失敗しなくなったというのも成功になりえます。学んだこと、気づきを得たことと絡めるとエピソードに深みが増します。
実はバックオフィス系の人でなくても参考になる
バックオフィス系の人は数値で評価しにくいので5W1Hを用いて具体的に話すことが求められますが、実はこの方法は内勤の人だけに限りません。営業職の人でも使えます。
なぜなら、営業の中でも新規開拓営業であればより数値がハッキリ出ますが、その中で成績の悪い人であったり、既存営業であればアピールがしにくいからです。
まとめ
バックオフィス系の求職者に面接で成功体験を聞く際に、採用担当者は成功の大小を見ているわけではありません。その理由は次の通りです。
- 成功の大小ではなく過程を知りたい
- 主体性があるのかを知りたい
- 問題解決能力があるのかを知りたい
これらを踏まえた上で、成功体験の質問に答えるポイントは次の3つです。
- 成功体験に具体性を持たせる
- 応募するポジションを意識する
- 回答の構成を意識する
もしあなたが成功体験が無いと思っているのであれば、次の3つのことを意識してください。
- 変化に注目する
- 学んだこと、気づきを得たことを話す
- 失敗に注目する
以上の答え方は営業成績が悪い人や既存営業の人でも使えるので、試してみて下さい。